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派遣社員は退職金を貰える?退職金の仕組みから解説!

今回のテーマは「派遣社員の退職金」についてです。基本的に期間に定めのある雇用形態である正社員とは違い退職金がもらえないと思っている方も多いと思います。そこで派遣社員の退職金について詳しくご紹介します。

はじめまして。富山県、石川県、愛知県で人材派遣サービスを提供しているCUBEです。
「CUBEのハケン塾」ではワークライフバランスを加味した就業が実現できる派遣という働き方について詳しく解説しています!

派遣法の改正により派遣社員の賃金や待遇面でメリットが増えました。では、退職金についてはどうのようになっているのでしょうか。一般的な退職金の仕組み・制度から派遣における退職金についてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

 

退職金の仕組みを解説

退職金ってなに?

退職金とは、労働者が企業を退職する際に、支給されるお金のことです。「退職慰労金」、「退職手当」と呼ばれることもあります。定年退職のときに、支払われるイメージが強いと思いますが、支給条件によっては、自己都合による退職や、解雇、労働者本人が死亡した場合も支給の対象となるケースがあります。一般的ではありませんが、金銭の代わりに不動産などの現物を退職金代わりに支給することも可能です。
しかし、退職金の支払いは法律上、義務ではありません。退職金制度の有無は、各企業に委ねられており、就業規則や雇用契約によって定められている場合がほとんどです。金額や勤続年数などの支給条件についても企業ごとに異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

 

税金はかかる?

退職金には、通常の給与と同じく「所得税」、「復興特別所得税」、「住民税」がかかります。その支払いを受ける際に、これらが源泉徴収または、特別徴収されます。しかし、毎月の給与と違い、退職金は、長期に渡る勤労に対するボーナス的な位置づけとして一時的に支払われるものですので、「退職金控除」やほかの所得とは切り離して課税されるなど、税負担が軽減するように優遇されています。あらかじめ、勤務先で所定の手続きをしておくことで、源泉徴収の際に、課税が終了することから、確定申告の必要は原則ありません。

 

退職金の2つの種類

退職金には大きく2種類が存在します。ひとつは、退職時に一括で支払われる「退職一時金」そしてもうひとつは、一定額を定期的に年金として受け取る「企業年金」があります。
「退職一時金」は、退職時の勤続年数や役職などに基づき支給する金額が決定します。就業規則や雇用契約によって定められており、その支給条件などは企業によって異なります。
一方、「企業年金」型は退職後に年金として一定額が支払われる制度です。金融機関などの運用会社に掛金を預け、年金資金の運用を任せながら退職金を拠出する「確定給付企業年金制度」と、企業が掛け金を毎月積み立て、従業員が自分でその年金資金を運用する「企業型確定拠出年金制度(企業型DC)」があります。

 

退職金は支払う義務がある?

先述の通り、法律上、企業が必ず退職金制度を導入しなければならないという義務はありません。しかし、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、平成30年度における退職金制度の導入率は80%を超えています。
日本では、昔から終身雇用制度がスタンダードであったという点も大きく影響していますが、自由な働き方が選べる現代においても、退職金制度を設けている企業が多いです。退職金制度を導入していることで、従業員のモチベーションアップを図り、優秀な人材を長く確保をできるという企業側のメリットがあります。また、企業イメージの向上にもつながるため導入している企業が多いと考えられます。

 

派遣社員に退職金は支給される?

では、派遣社員に退職金は支給されるのでしょうか。派遣社員に関しては、派遣元や派遣先が、自社の正社員に退職金を支払っている場合、2020年4月1日より、派遣社員にも退職金を支払うことが義務付けられました。「同一労働同一賃金」の観点から、不合理な待遇差をなくすため、正社員には、退職金があるのに、派遣社員には、退職金がないということは認められなくなりました。

 

派遣社員へ退職金の支払い方法

まず、労使協定方式を採用している派遣会社の場合、基本給、賞与、退職金、交通費は、全国の統計データを基に算出した国が定めたデータによって設定されています。また、福利厚生などは派遣元である派遣会社に準じます。一方、派遣先均等均衡方式を採用している場合は、基本給、賞与、退職金、交通費、福利厚生など、全ての条件を派遣先である就業先企業に合わせます。このように、派遣会社がどの制度を採用しているかで退職金の支払い方法や定義もかわってきます。そのことを踏まえたうえで、派遣社員が退職金を受け取る方法は4つあります。

 

退職金前払い制度(時給に上乗せ)

[労使協定方式]
派遣社員の時給に対して6%を上乗せし、支払う方法です。時給にあらかじめ上乗せしていますので退職時にまとまった金額でもらうことはできません。また、この6%という数値は変動する可能性もあります。

 

中小企業退職金共済制度

[労使協定方式]
中小の派遣会社であれば加入できる国の共済制度。派遣会社が掛け金を積み立て、派遣社員が退職した際に、共済組合から労働者に退職金が直接支払われます。そのため、万が一派遣会社が倒産しても、派遣社員の退職金は確保されます。

 

派遣会社の退職金制度

[労使協定方式]
派遣元の就業規則に基づき支給される退職金制度です。派遣会社の社員と同等の扱いとなり、派遣会社から支払われます。一般的には、最低でも勤続3年以上であることが必須であり、年数が増えるごとに金額も増えていくことが多いです。

 

派遣先の退職金制度

[派遣先均等均衡方式]
派遣先企業の退職金制度に基づき、派遣先企業が退職金を支払うケースです。この方法の場合、派遣先企業から支払われた退職金を、派遣元である派遣会社が労働者へ支払います。ただし、派遣先企業にとって、金額面での負担も増えるだけでなく給与体系や、退職金制度を派遣元に開示する必要があり、あまり活用されないのが実情です。

 

まとめ

いかがでしたか?支払い方法などに違いはあるものの、派遣社員も正社員と同様に退職金を受け取ることが可能だとわかりました。しかし、支給条件や金額などは企業によって違いますのであらかじめ確認しておくとよいでしょう。

CUBEでは働きたい方に寄り添って、お仕事探しをサポートします。 
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